scramblegarage’s blog

札幌で活動するストリートパフォーマーによるストリートパフォーマーのための「練習・発信・交流」の拠点を作るプロジェクト。

ジャグラー・コーヘイのジャグリングとは——スクランブルガレージ運営メンバーインタビュー企画 ——

 

スクランブルガレージ運営メンバーの顔が見えるようにということで始まったインタビュー企画。

今回のメンバーはスクランブルガレージ運営メンバー、ジャグラー・コーヘイ。クラブジャグリングを得意とし、札幌を中心に道内外の各地でパフォーマンスを行っている。

そんなジャグラー・コーヘイの ジャグリングへの思いをインタビューした。

 

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―—さっそくですが、ジャグリングを始めたきっかけは何ですか?

 

コーヘイ:中学1年生の時、担任の先生が「学校祭のステージ発表で、ジャグリングをしよう」と提案し、先生が道具を買ってきて、さらに大道芸人を講師として学校に呼んできて、クラスみんなでジャグリングを練習したというのがきっかけです。

 

当時、僕はバスケ部に所属していたのですがすっかりジャグリングにハマり、部活と両立してジャグリングを練習してました。学校祭後は、たまたま歩いて行ける距離にあったジャグリングサークル「まめぞう札幌」に、月に1~2回のペースで通いました。

11歳でジャグリングを始めたということになるので、ジャグリング歴は15年ほどになりますね。学校祭以外で初めて人前でパフォーマンスしたのは、たしか中2のときの「だい・どん・でん!」にサークルの一員として参加したときだったように思います。

 

 

―—15年続けてきて、辛かったこと、きつかったことはありますか?

 

コーヘイ:特にないかな(笑)でも大学卒業してから、冬の練習はきつい!

高校生の時は児童会館の夜間開放が利用できたし、サークルに通う時間も十分にありました。大学生の時も大学の体育館やキャンパス内で練習してました。しかし大学を卒業すると一気にそうした場所から遠ざかりました。まず、普通の市民体育館はジャグリングでは利用させてもらえないですし、そもそも仕事があるので施設が空いている時間帯に行けない。そうなると必然的に、明かりのある路上、ストリートで練習するしかないんです。夏はいいにしても、慣れるまで冬の練習は寒くて辛かったです。今はもう慣れて余裕ですが。手を止めると体が冷えるので、寒い時ほど集中しますし、練習がはかどります(笑)

 

―—学生でなくなると、急に練習場所がなくなってしまうのですね。練習環境ではなく、ジャグリングの技がなかなかできなくて辛いと思うことはありませんか?

 

コーヘイ:技の練習は絶賛苦労中です。でもジャグリングはそういうもんなので、黙々と練習するしかないと思うし、それが楽しさでもあります。辛いからやめようとかは思ったことが無いです。

 

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―—そんなコーヘイさんは、普段は何をされていますか?

 

コーヘイ:普段は仕事してます(笑)仕事して、帰って、練習に出かけて。だいたい練習時間は2時間くらいですね。終電までには帰ります。お休みの日は、パフォーマンスの依頼が入っているか、練習しているか、寝ているか、ですね(笑)

ジャグリング以外の趣味として、一時期BMXをやったり、ダンスにも注力してましたが、今はジャグリングの練習だけで時間も体力も精一杯です。

 

―—ほかの趣味をやめたり、仕事終わりにも練習をするほどのジャグリングの魅力とはなんですか?

 

コーヘイ:ジャグリングを始めた当初は、練習すればするほど新しい技ができた達成感がうれしくて。そこからどんどんハマっていきましたね。ジャグリングって基本的に個人種目なので、あまり社交的じゃない、オタク気質な人にぴったりだと思います。当時の僕がまさにそれですね(笑)一人で黙々と練習してました。大人になり、多少の社交性を身に着けたら、今度はいろんな人との交流が楽しくなりました。学生ジャグラーって高確率で卒業とともにジャグリング辞めるんですけど、しぶとく社会人になってもジャグリングを続けている人たちとの繋がりや交流は本当に楽しいですね。

 

 「ジャパンジャグリングフェスティバル(JJF)」という年に1回開催されている大きなジャグリングイベントがありまして、2011年に代々木で開催された際に初めて参加しました。初参加で知り合いも全然いなく、せっかく周りに沢山ジャグラーがいるなかで一人で投げていたのですが、そこで声をかけてくれたクラブジャグラーの方と意気投合して、今では一番仲の良い友人です。

他のスポーツとかと違って、「引退」という概念が薄いし、そこまでハードな体力も必要ないので、幅広い年齢層がプレーヤーというのがジャグリングの魅力の一つかもしれないです。

 

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―—ジャグリングを始めるならどんな人におすすめですか?

 

コーヘイ:どんな人にもおすすめできますが、人と接するのが苦手だとか引きこもりだとか、そういう人にこそ勧めたいですね。何せ一人でも楽しめるんで。でも、ずっと閉じこもっていると他のジャグラーに出会えない、練習も効率が悪いので、行動力があった方がいいですね。基本的にコミュニケーションとか苦手だけど、ジャグリングのためなら仕方ない、と思って行動できたらOK!

 

 

―—ジャグリングを知らない人に紹介してください!

 

コーヘイ:ジャグリングの定義・解釈がどんどん広がってきているので、一口で表すのは難しいですね。器用にものを扱えればジャグリング、というような風潮があり、ペン回し、フラフープなどもジャグリングにカテゴライズされてきています。さらに、ジャグリング道具そのものも進化していて、これからさらに新しいジャンルや概念が出てくると思います。

ざっくり人に紹介するときは、昔のテレビ番組とか例に出すとわかってもらえたりしますね。幸せ家族〇画とかテレビ〇ャンピオンとか(笑)

 

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―—札幌を中心に活動されていますが、札幌のストリートの魅力はなんでしょう?

 

コーヘイ:やっぱりジャンルを超えた交流があるということですかね。

ジャグリングって、そもそも「ストリート」というジャンルじゃないんです。たまたま僕が個人的にストリートな環境で練習していたら他の人たちと仲良くなって、ストリート文化に加わったというような感じです。他のジャンルと仲良くできる、っていうのは札幌の特徴というか魅力だと思います。

ストリート仲間に悪い人っていないですしね。きっと世の中の人からすると、ストリートはアンダーグラウンドな文化で、路上にいる邪魔な人とか、夜間にうろうろしてるとか、悪いイメージをする人もいると思います。極端な話、ドラッグとかやってんじゃないの?みたいな。でも実際はそんな人全然いないですからね(笑) 真面目で良い人達ばかりが集まっていると個人的には思います。いつでも誰かいて、あいつが頑張っているから自分も頑張ろうと思えます。

 

―—ストリート仲間で切磋琢磨しているのですね。それではスクランブルガレージに対しての想い、考えを聞かせてください。

 

コーヘイ:スクランブルガレージに求めているのは、練習の場ですね。冬!辛い!自分は発表とか交流より、なによりも練習がしたい、ジャグリングが楽しくて仕方ないので。

現状での理想を言うと、毎週練習会が夜にあって、誰かがそこで練習していて、そこにお邪魔するみたいになったらいいですね。厳しいかもしれませんが。

 

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―—本当にジャグリングが好きという気持ちが伝わってきます。それでは最後に今後の目標を!

 

コーヘイ:個人的にジャグラーが増えてほしいなと思いますが、スクランブルガレージの一員として、誰でも練習できる場所を作りたいです。決められた時間に決められた競技しか練習できないとかじゃなく、マイナージャンルの人も自由にみんな来て、マナー良く気持ちよく使える場所があればいいなぁと思います。そこで交流やつながりやイベントが生まれればさらに良いかなと。まずはいかに「日常」に溶け込んだ場所を作れるかが大切だと思います。

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