scramblegarage’s blog

札幌で活動するストリートパフォーマーによるストリートパフォーマーのための「練習・発信・交流」の拠点を作るプロジェクト。

萩原 雄太のセパタクローにかける想いとは——スクランブルガレージ運営メンバーインタビュー企画

スクランブルガレージ運営メンバーの顔が見えるようにということで始まったインタビュー企画。

今回のメンバーはスクランブルガレージ運営の萩原雄太。セパタクロー選手として日本国内はもちろん、海外の様々な大会で優勝や入賞を多数経験している実力者である。札幌を中心にセパタクローのレベルアップや、普及活動にも力を入れている。そんな萩原雄太とはどんな人物なのかに迫ってみた。

 

 

——まず、セパタクローというスポーツについて簡単に説明していただけますか?

 

萩原:セパタクローはバドミントンコートを使って、3人対3人で行います。ネットを挟んで足や腿、頭を使ってボールを相手コートに返し合うバレーボールに似た競技です。

チーム内連続3回までのボールタッチで相手チームへ返さなければならないのですが、1人でボールを連続3回タッチしてもOKなところがバレーボールと異なるところです。また、3つのポジションのローテーションはなく、それぞれ自分のポジションに特化して練習し、試合では3人の力を合わせて攻撃を組み立てていきます。

 

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——3人の力をどうやって合わせていくかは重要になりそうですね。では、セパタクローを始めたのはいつですか?

 

萩原:大学1年生の時です。なので競技歴は16年になります。

 

——始めたきっかけは何だったのですか?

 

萩原:中学生の時にマンガの「キャプテン翼」を読んだのがきっかけです。試合のシーンにセパタクロー三兄弟が出てきて、この競技は何だろうと興味をもって。その年にバンコクで開催されていたアジア大会をBSで見たら、キャプテン翼のオーバーヘッドキックと全く同じことを選手がしていて「やりたい!これしかない!」と思ったんです。

そのやってみたいという思いを持ったまま中学高校を過ごし、大学生になってから通っていた大学とは別の大学にあったセパタクローサークルに入ってようやく活動を始めました。

高校のパソコン授業の調べ学習テーマをセパタクローにするくらい好きで、高校時代から絶対その大学のサークルに入ると決めていたんです。そのときからこのスポーツで日本代表になると周りに言い続けていました。まだ始めてないのに(笑) きっと自分は向いてるという思いがどっかにあったんだと思います。

高校時代は大学に入ってセパタクローをするための準備期間だと考えてできることをしていました。例えば、当時録画したBSの映像を何度も見返したら体の柔らかい選手ばかりだったので、自分も柔軟したりしていました。

 

——では、大学に入ってやっと念願の練習ができたのですね。そのあとはずっと大学のサークルで活動していたのですか?

 

萩原:大学のサークルには最初の3年まで所属し、4年目からはより競技中心のクラブチームへ移籍しました。

ただ、4年制の大学ですが、入学したときに5年かけて卒業しようと決めてたんです。大学入った最初の年がアジア大会選考の年だったので、次のアジア大会は絶対出場しようと思っていました。それに向けて逆算したら3年目に日本代表になってないといけなくて、4年目に主力になってなくちゃいけない。その成果から5年目にアジア大会に選ばれるというステップアップが明確に自分の中にあったんです。だから基礎練習をしっかりしなければいけないと思い、学長に「1日にこれだけの練習をしますから」と言って説得し、練習するために休学しました(笑)朝から夜まで練習してましたね。休学してるのに大学の体育館に毎日通いましたよ(笑)

親には最初すごく怒られましたね。でも真剣に今しかないんだって伝えて分かってもらいました。

 

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——具体的にはどのような練習をしてきたのですか?

 

萩原:日々の練習から世界で勝つことを意識して取り組む中で、レシーブ力を上げる事を第一に考えました。海外の選手のサーブは速いので、その速さに慣れるためにテニスラケットで打ってもらったボールをレシーブしたり、至近距離から投げて貰って、反応速度を上げる事を意識しました。そこからトスが上がった時に自分のできる選択肢を増やし、アタックで複数のコースを狙える高さと視野の広さを意識しながら練習し続けました。

過去や今の世界大会を見て研究しても、それは「今」であって、そこに自分が追いついたときには「過去」になっていて取り残されると思うんです。だから先に先に考えて、技術を高める必要があると思ったんです。

 

 

——今までの練習でつらかったことや苦しかったことはありますか?

 

萩原:苦労したことは特にないかなぁ。苦労したことはないですけど、一番工夫したところは、頭の中で架空の理想の練習相手をつくって練習し続けたりしました。

例えばですけど、学生たちと試合をしているときも頭の中で海外の選手と試合をしたりしていました。もっと厳しいコースに打って来るかもしれない、緩急をつけて揺さぶって来るかもしれない、高さ、速さ、想定外を想定内にできるように準備をし続けていました。そうすることで試合中の切り替えというか、目の前のこと+αを考えて動くことがうまくなった気がします。

 

——16年の競技歴の中で辞めようと思ったことはないのですか?

 

萩原:辞めようと思ったことは今までに2回あって(笑)

1回目は2006年ですかね。その年の学生大会で日本一になったのですが、日本代表には選ばれなかったんです。そのとき辞めようかなと。ただ、同じチームの先輩選手はアジア大会の日本代表に選ばれていて、だったらその選手のサポートをするために、もう少しだけ自分も一緒に練習をして、上手になって、一緒に高めてから終わりたい。そう思って練習を続け、アジア大会が終わった後の1か月間は練習も何もしませんでした。でも、なんとなくまた練習に戻ったら、「あれ、なんかうまくなってるかも」って思いまして(笑) サポートのつもりだったけれど、目標を持っている選手と、集中して、一緒に練習していたことで自分もうまくなったことに気づき、やっぱりもう少しだけやってみようかなと。

あとは、日本代表になれなかったから辞めようと思っている、ということを大学時代の先生に相談したんです。そしたら先生が「もうすこしやってみたらいいじゃない」って言ってくれたんです。

その先生は、スキージャンプの日本代表のコーチとかをしている方で、スポーツのことをよくわかっているので、最後にこの人に言おう、この人なら辞めると言っても分かってくれるんじゃないかなと思ったんですよね。そう思っていたので、もしあのとき「もうすこしやってみたら」ではなく、「お疲れ様」って言われてたら本当に、確実に辞めてましたね(笑) あの一言は大きかったです。

次の年、初めて世界選手権に出場でき準優勝をして、「世界でするセパタクローは楽しいんだな」「あきらめなくてよかったな」と思いました。

 

——辞めたいと思った2回のうち、残りの1回というのは……?

 

萩原:残りの1回ですか?(笑) 2014年のアジア大会の落選を最後に選手を辞めようと思いました。アジア大会優勝が代表選手として自分の最終目標でしたので。

それでも辞めずに続けてきたのは、目標を持って頑張る人たちの熱意を見てきたからというか、人に恵まれていたからですかね。北海道だけではなく、日本中の大会に出させてもらって、日本中の選手に育ててもらったし、お金で買えない価値をもらったと思っているんです。だから先輩たちの思いを後輩たちに伝えてつないでいくのが自分の使命だと思うし、その人たちの夢を叶えてあげられる存在になれたらいいなと思っています。

 

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 (前列 右端)

 

——自分だけではなく後輩へつないでいくことで、今後ますますセパタクローが盛り上がるのではないかと私もなんだか楽しみです。そんな萩原さんは、普段どこで練習しているのですか?

 

萩原:今はTAK-TAKというチームに所属し、コーチ兼選手をしています。選手を兼ねたコーチの「選手兼コーチ」ではなく、コーチを兼ねた現役選手という意味を込めた「コーチ兼選手」という言葉を使っています。

自分の経験を、プレーをもって伝えるということが自分の使命であり、やるべきことだと思っているので、結果を残す姿を見せながら一緒に学生たちの課題を練習しています。昔は週7で通っていましたし、今も練習に行きたい気持ちは変わらないのですが、やはり毎日は厳しく、基礎練習中心に週3ほどで練習しています。

 

——セパタクロー以外に趣味はありますか?

 

萩原:趣味は…カラオケかなぁ(笑) 一人でも行っちゃうくらい好きです。なんかストレス発散になるんですよね。

 

 

——ここまでお話聞かせていただいて、本当にセパタクローが好きだということが伝わってくるのですが、そのセパタクローの魅力はなんですか?

 

萩原:セパタクローのポジションは3つあって、身長など関係なく、誰でも必ず3つのどれかにつくことができるんです。

自分はアタックをやっているのですが、空中の格闘技と呼ばれるほどのネット際の攻防がとっても楽しいんですよね。

アタック以外では、相手から来たボールを丁寧に上げる繊細なボールタッチが一番の魅力だと思います。ボールを足で「蹴る」ではなく、「持ち上げる」という表現をするのは、セパタクローだけではないかなと。

あとは1チーム3人なので、3人全員で気持ちを合わせ、コート内でどれだけ持てる力以上を発揮してプレーするか、というところも楽しいですし、魅力です。

何年やっても飽きないですし、体育館にいるのが落ち着くんですよね。本当に面白い中毒性のあるスポーツです。やめられない(笑)

 

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——セパタクローはストリートとして練習したりしますか?

 

萩原:自分は外での練習はあまり多くないですが、海外の、例えばタイなんかではストリートのスポーツとして親しまれ、子どもから大人まで公園でしていたりします。そういう場面を世界大会の時に目の当たりにして、自分もこうしたいなと思うようになりました。カッコつけて見に行くスポーツももちろん大切ですが、セパタクローは気兼ねなく見に行ける、特別なスポーツじゃないスポーツにしていきたいです。もっと身近になって、スポーツショップでセパタクローのボールが買えたらいいなと、そうしていきたいなと思います。

 

 

——もっと社会の中で身近なスポーツになっていけたらいいですよね。では、札幌のストリートの魅力は何でしょう?

 

萩原:やはり札幌の魅力はジャンル間の交流が一番だとおもいます。自分とは違う新しいジャンルが隣で練習していたら、自然と取り込んでいく柔軟さというか、どんなジャンルも受け入れる器の大きさが札幌のストリートの魅力じゃないですかね。

 

 

——スクランブルガレージとつながったきっかけは何ですか?

 

萩原:札幌ストリートの魅力を発信してるいそじゅんさんという方が、龍くん(代表 龍太郎)をつなげてくれたのが最初です。夢を持つ人たちが集まって、今ではなくこれからどうしていくかという未来に向けた話し合いを続けていける、素敵な仲間です。

今、自分はメンバーのような「パフォーマー」ではないのですが、今後、セパタクローをパフォーマンスするという新しい道をつくり、セパタクローの魅力を発信できたらと思っています。

 

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——私もぜひパフォーマンスを見てみたいです。では最後に今後の夢や目標を教えてください。

 

萩原:結果にこだわって、日本だけでなく世界に通用するプレーをしていきたいです。選手として上を目指す姿を後輩に見せ続け、後輩たちを世界につなげたいです。

また、北海道がセパタクローで盛り上がっていけたらと思います。関東に比べて北海道は日本トップとの練習の質の差があるように思いますが、北海道から世界へ飛び立つ選手を育てたいです。そのためには今日のためではなく、明日や未来のために練習していかなくてはなりません。さらに、競技者だけではなく、試合を見に行くなどの愛好者も増やせたらいいなと思います。

目標としては、2026年に名古屋でアジア大会が開かれる予定なんです。その大会に北海道から1レグ(1チーム)を出すことです。もしそれが実現できたら、きっと嬉しさで試合見れないだろうな(笑)

 

ジャグラー・コーヘイのジャグリングとは——スクランブルガレージ運営メンバーインタビュー企画 ——

 

スクランブルガレージ運営メンバーの顔が見えるようにということで始まったインタビュー企画。

今回のメンバーはスクランブルガレージ運営メンバー、ジャグラー・コーヘイ。クラブジャグリングを得意とし、札幌を中心に道内外の各地でパフォーマンスを行っている。

そんなジャグラー・コーヘイの ジャグリングへの思いをインタビューした。

 

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―—さっそくですが、ジャグリングを始めたきっかけは何ですか?

 

コーヘイ:中学1年生の時、担任の先生が「学校祭のステージ発表で、ジャグリングをしよう」と提案し、先生が道具を買ってきて、さらに大道芸人を講師として学校に呼んできて、クラスみんなでジャグリングを練習したというのがきっかけです。

 

当時、僕はバスケ部に所属していたのですがすっかりジャグリングにハマり、部活と両立してジャグリングを練習してました。学校祭後は、たまたま歩いて行ける距離にあったジャグリングサークル「まめぞう札幌」に、月に1~2回のペースで通いました。

11歳でジャグリングを始めたということになるので、ジャグリング歴は15年ほどになりますね。学校祭以外で初めて人前でパフォーマンスしたのは、たしか中2のときの「だい・どん・でん!」にサークルの一員として参加したときだったように思います。

 

 

―—15年続けてきて、辛かったこと、きつかったことはありますか?

 

コーヘイ:特にないかな(笑)でも大学卒業してから、冬の練習はきつい!

高校生の時は児童会館の夜間開放が利用できたし、サークルに通う時間も十分にありました。大学生の時も大学の体育館やキャンパス内で練習してました。しかし大学を卒業すると一気にそうした場所から遠ざかりました。まず、普通の市民体育館はジャグリングでは利用させてもらえないですし、そもそも仕事があるので施設が空いている時間帯に行けない。そうなると必然的に、明かりのある路上、ストリートで練習するしかないんです。夏はいいにしても、慣れるまで冬の練習は寒くて辛かったです。今はもう慣れて余裕ですが。手を止めると体が冷えるので、寒い時ほど集中しますし、練習がはかどります(笑)

 

―—学生でなくなると、急に練習場所がなくなってしまうのですね。練習環境ではなく、ジャグリングの技がなかなかできなくて辛いと思うことはありませんか?

 

コーヘイ:技の練習は絶賛苦労中です。でもジャグリングはそういうもんなので、黙々と練習するしかないと思うし、それが楽しさでもあります。辛いからやめようとかは思ったことが無いです。

 

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―—そんなコーヘイさんは、普段は何をされていますか?

 

コーヘイ:普段は仕事してます(笑)仕事して、帰って、練習に出かけて。だいたい練習時間は2時間くらいですね。終電までには帰ります。お休みの日は、パフォーマンスの依頼が入っているか、練習しているか、寝ているか、ですね(笑)

ジャグリング以外の趣味として、一時期BMXをやったり、ダンスにも注力してましたが、今はジャグリングの練習だけで時間も体力も精一杯です。

 

―—ほかの趣味をやめたり、仕事終わりにも練習をするほどのジャグリングの魅力とはなんですか?

 

コーヘイ:ジャグリングを始めた当初は、練習すればするほど新しい技ができた達成感がうれしくて。そこからどんどんハマっていきましたね。ジャグリングって基本的に個人種目なので、あまり社交的じゃない、オタク気質な人にぴったりだと思います。当時の僕がまさにそれですね(笑)一人で黙々と練習してました。大人になり、多少の社交性を身に着けたら、今度はいろんな人との交流が楽しくなりました。学生ジャグラーって高確率で卒業とともにジャグリング辞めるんですけど、しぶとく社会人になってもジャグリングを続けている人たちとの繋がりや交流は本当に楽しいですね。

 

 「ジャパンジャグリングフェスティバル(JJF)」という年に1回開催されている大きなジャグリングイベントがありまして、2011年に代々木で開催された際に初めて参加しました。初参加で知り合いも全然いなく、せっかく周りに沢山ジャグラーがいるなかで一人で投げていたのですが、そこで声をかけてくれたクラブジャグラーの方と意気投合して、今では一番仲の良い友人です。

他のスポーツとかと違って、「引退」という概念が薄いし、そこまでハードな体力も必要ないので、幅広い年齢層がプレーヤーというのがジャグリングの魅力の一つかもしれないです。

 

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―—ジャグリングを始めるならどんな人におすすめですか?

 

コーヘイ:どんな人にもおすすめできますが、人と接するのが苦手だとか引きこもりだとか、そういう人にこそ勧めたいですね。何せ一人でも楽しめるんで。でも、ずっと閉じこもっていると他のジャグラーに出会えない、練習も効率が悪いので、行動力があった方がいいですね。基本的にコミュニケーションとか苦手だけど、ジャグリングのためなら仕方ない、と思って行動できたらOK!

 

 

―—ジャグリングを知らない人に紹介してください!

 

コーヘイ:ジャグリングの定義・解釈がどんどん広がってきているので、一口で表すのは難しいですね。器用にものを扱えればジャグリング、というような風潮があり、ペン回し、フラフープなどもジャグリングにカテゴライズされてきています。さらに、ジャグリング道具そのものも進化していて、これからさらに新しいジャンルや概念が出てくると思います。

ざっくり人に紹介するときは、昔のテレビ番組とか例に出すとわかってもらえたりしますね。幸せ家族〇画とかテレビ〇ャンピオンとか(笑)

 

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―—札幌を中心に活動されていますが、札幌のストリートの魅力はなんでしょう?

 

コーヘイ:やっぱりジャンルを超えた交流があるということですかね。

ジャグリングって、そもそも「ストリート」というジャンルじゃないんです。たまたま僕が個人的にストリートな環境で練習していたら他の人たちと仲良くなって、ストリート文化に加わったというような感じです。他のジャンルと仲良くできる、っていうのは札幌の特徴というか魅力だと思います。

ストリート仲間に悪い人っていないですしね。きっと世の中の人からすると、ストリートはアンダーグラウンドな文化で、路上にいる邪魔な人とか、夜間にうろうろしてるとか、悪いイメージをする人もいると思います。極端な話、ドラッグとかやってんじゃないの?みたいな。でも実際はそんな人全然いないですからね(笑) 真面目で良い人達ばかりが集まっていると個人的には思います。いつでも誰かいて、あいつが頑張っているから自分も頑張ろうと思えます。

 

―—ストリート仲間で切磋琢磨しているのですね。それではスクランブルガレージに対しての想い、考えを聞かせてください。

 

コーヘイ:スクランブルガレージに求めているのは、練習の場ですね。冬!辛い!自分は発表とか交流より、なによりも練習がしたい、ジャグリングが楽しくて仕方ないので。

現状での理想を言うと、毎週練習会が夜にあって、誰かがそこで練習していて、そこにお邪魔するみたいになったらいいですね。厳しいかもしれませんが。

 

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―—本当にジャグリングが好きという気持ちが伝わってきます。それでは最後に今後の目標を!

 

コーヘイ:個人的にジャグラーが増えてほしいなと思いますが、スクランブルガレージの一員として、誰でも練習できる場所を作りたいです。決められた時間に決められた競技しか練習できないとかじゃなく、マイナージャンルの人も自由にみんな来て、マナー良く気持ちよく使える場所があればいいなぁと思います。そこで交流やつながりやイベントが生まれればさらに良いかなと。まずはいかに「日常」に溶け込んだ場所を作れるかが大切だと思います。

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二刀流パフォーマーわたぱちのストリートスタイルとは──スクランブルガレージ運営メンバーインタビュー企画

スクランブルガレージ運営メンバーの顔が見えるようにということで始まったインタビュー企画。

今回のメンバーはスクランブルガレージ運営のエンターテインメントブレイクダンサーわたぱち。頭に「エンターテインメント」をつけている通り、人を笑顔にする自由なブレイクダンスをする彼は最近フリースタイルバスケも取り入れパフォーマンスの幅を広げている。MCなどもマルチにこなす彼に、ストリートにまつわる様々な質問をぶつけてみた。

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───まずは、ブレイクダンスというジャンルの紹介をわたぱちからお願いします。

 

W:一般的には頭で逆立ちをしてそのまま床でぐるぐる回るというハードなダンスのイメージがあると思います。だけど、回ることだけがブレイクダンスではないよと僕はレッスンで教えています。例えばフットワークや立ち踊りといったものも存在していて、レッスンではそこから教えていきます。慣れてくれば、それがダイエットや体力向上にもなります。それに体一つでどこでもできるし、いろんな魅力があるのでまずは始めてみてほしいです!頭で回れなくてもブレイクダンスはできますよ、僕も頭で回れませんから(笑)

 

 

───わたぱちがブレイクダンスを始めたきっかけって何ですか?

 

W:専門学校入学(当時19歳)の自己紹介の時に、クラスメイトが「ブレイクダンスできます」と言って実際に回って見せてくれたのがきっかけです。当時はテレビで岡村隆史が踊っているのしかブレイクダンスを見たことがなくて、クラスメイトが回ったのが生で初めて見た瞬間です。その日のうちに教えてくれと頼みました。なので今年で10年目に突入します!ダンスは基本的に小さいうちからやっていた方が有利な面が多いですから、僕は遅咲きです。それからはずっと練習漬けで、学校にスタジオがあったから放課後もひたすら練習していました。もともとダンスなんてしていなかったのでゼロから始めました。道具を使わず身体能力だけでやることが得意です。ストリートの面々と一緒にいながらにしてフリースタイルバスケを避けてきたのが、道具を使ってやるのが不得意だからです。

 

───ちなみにその避けてきたフリースタイルバスケを始めたきっかけは何ですか?

 

W:1DCMAXインタビュー参照)にブレイクダンスのショーケースで出演した時に、勝っても負けても「すごい!」と歓声が上がるピースな空間がとても良いなと思い、「この中に入って僕もワイワイしたい」と思ったのがきっかけです。

 

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───1DCの雰囲気が影響したんですね!話を戻して、ブレイクダンスをゼロから始めたら苦労も多かったと思いますが、その苦労話を教えてください。

 

W:ブレイクダンスは名の通り(break)、怪我が多いんです。それとブレイクはダンスの要素もあるんですけど、技がメインで、技ができない以上それを反復練習するしかないというのがあるんです。最初はウインドミル(回転技)や逆立ちの練習をずっとやっていてまるで筋トレみたいでしたね。やっている時は面白いですけど飽きることもあるので(笑)ひたすら反復練習は大変だと思います。ダンスは音に合わせて楽しく踊る要素の方が大きいですが、ブレイクはスゴ技が入り口で、リズムをとるという方から入る人は少ないんです。

 

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───ブレイクもフリースタイルバスケも練習するわたぱちの普段の顔を教えてください!

 

W:普段は柔道整復師として働いてますよ!趣味は、マンガを読むことと~、珈琲屋さんめぐりと~、アニメ鑑賞と~、あと~奥さんとのデートです!!(いい笑顔)

休むときはきちんと休みますからね。

 

 

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───柔道整復師らしい体を思う言葉ですね!では、わたぱちにとってのブレイクダンスの魅力を教えてください。

 

W:道具が何もいらなくて体一つで出来ることですね。これはダンス全般に言えますけど、気持ちさえあればどこでもできるというところがあります。あと、技ができた時の喜びは大きいです!ブレイクダンスは大技が多いので、できた時の喜びはもう計り知れませんよ!本当に涙がでます。やりがいですね。どんなに運動神経がよくても最初は絶対に回れないです。その絶対にできなかったものが成功した時の壁を超えたらハマります。

 

 

───なるほど!わたぱちもいつもストリートで練習していますが、わたぱちから見た札幌のストリートの魅力を教えてください。

 

W:和気あいあいとした雰囲気が好きですね。人によっては「和気あいあいとしていて緊張感がないから強くならないんだ」という人もいますが、僕はこの歳だからかもしれませんが続けることが大事だと思っているんです。上手くても辞めるとそこで終わりだし、下手くそでも続けていればそれ以上下手になることはないし、やっていればやるほどつながりも生まれてきます。楽しく続けられる環境に身を置いて「続けたい」と思えるのが札幌の魅力ですね。他の県だとないらしいので。

 

 

───では、札幌のストリートから生まれたスクランブルガレージについて何か思い入れはありますか?

 

W:最初は運営メンバーだけで頑張っていましたが、最近は若手の仲間に依頼を出したりできるようになってきて、「ガレージの依頼」として認識されるくらい名前が少しづつ浸透し始めているなと最近思いますね。まだ身内の中でしか浸透していませんが、それでも実感として嬉しいです。協力してくれる人も増えて、これからも続けて広くしたいと思っています。大元の「拠点を作る」というところはぶれていませんが、それ以外にも視野が広がったという感じがしますね。

 

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───ガレージ出来立ての時は札幌のストリート内でも低い認知度でしたね。これからも継続が重要ですね。最後にわたぱちの今後の目標や理想像を教えてください!

 

W:「生涯現役」が目標です。そして目標にされたいです。技術の上手い、下手とかではなくて「あの歳になっても楽しくできる」と感じてほしいですね。「あのおじさんすごく練習してる」とか思われたらいいですね(笑)就職のタイミングで辞める人とか練習量が減って辞めていく人もいるので、離れて欲しくないから自分が「生涯現役」で体現していきたいです。結婚しても仕事をしていてもできます!!何かに勝ちたいというより自分に勝ちたいです。

 

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時雨のパフォーマンスへの想い──スクランブルガレージ運営メンバーインタビュー企画

 

スクランブルガレージ運営メンバーの顔が見えるようにということで始まったインタビュー企画。

 

今回のメンバーはジャグリングパフォーマーの時雨。

 

2017年が始まってからも商業施設のイベントやテレビ番組に出演するなど、活発に活動している時雨。主にディアボロを得意とする彼の独特なパフォーマンスは、見る人たちを惹きつけて離さない。

今回、その魅力的なパフォーマンスの原点について語ってくれた。

 

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—―では、ジャグリングを始めたきっかけはなんですか?

 

時雨:ジャグリングはお手玉から始めました。

ジャグリングを始める前の中学1年生から中学2年生にかけてはけん玉が趣味でした。中2の学芸会でジャグリングをみんなですることになったのですが、けん玉は誰もいないからお手玉をしてくれという先生の説得があり、嫌々始めたのがきっかけです。

 

中3の受験期に熱が冷めて中断もしましたが、高2のときにジャグリングの世界大会の動画を見て、「この人にできるなら俺にもできる」と思って(笑) 

それからまともにディアボロを始めましたね。

実はその前にディアボロは買っていたのですが、触った瞬間に「無理だ」と思ってしまい、その後は半年間部屋のオブジェになって…(笑) でも動画を見たとき「気持ちの問題だったな」と思い直しました。

それからはまず学祭で発表することを目標にして、サークル(まめぞう札幌)に顔だしたり、動画を見たりして練習にのめり込んでいきましたね。

  

——動画を見て真似しながら練習するのは難しくはないのですか?

 

時雨:とても難しいです(笑) 

本当に難しいけれど、スロー再生をして細かい手の角度とかをコピーしたうえで練習していました。

 

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——たくさんの練習を重ねてきたと思いますが、今振り返って一番きつかったなと思う時期ってありますか?

 

時雨:3年目ですね。三つのディアボロを回すという目標が何度練習しても達成できなくて、行き詰りました。できる人が目の前にいるのになんでできないんだろうって思ったりしました。一回その技を捨てて、他の技に特化したり、違う技の専門になろうとしたりもしましたね。

初級レベルの技は思うように習得できたけれど、上級の未知の世界は難易度が急に上がって。その壁にぶつかったときがイライラしたし、一番きつかったです。

 

——その技が出来ようになったのはいつごろですか?

 

時雨:ずっと別の練習をしていて、ふと、できるかなと思って試しにやってみたら「うぉ!回った!」って突然出来るようになって(笑) その感覚が忘れられないですね。できた瞬間は叫びました(笑) そのときはディアボロ歴4年目でした。

 

——その壁を打破した後はもう壁にぶつかることはなかったのですか?

 

時雨:打破してからも壁はいっぱいありますよ。上を見たらきりがないですし。

基礎の技が身につけばオリジナルの技を作れるのですが、他の人と違う自分なりのアレンジをしていくということがきつくて難しいですね。楽しいところでもありますが。

 

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——難しい技も諦めずに練習してしまうほどのディアボロの魅力とは何ですか?

 

時雨:非日常的なものを扱っているというところですかね。非日常的なものを使って魅せることは自分も楽しいですし、観客も楽しんでもらえると思っています。テレビなどで見たことがあっても触ったことはない人が多いし、直接リアルで見ることが出来る機会はなかなかないですから。

そういう方たちが僕のパフォーマンスを見てディアボロを始めましたと言ってくれるの

も嬉しくてやりがいになります。

 

  

——そもそも、ディアボロを知らない方にどのようなものか紹介するときはどのようにしていますか?

 

時雨:パフォーマンスするときは「ディアボロ、中国ゴマとも呼ばれますが、紐でつながれた二本のスティックを使って行うパフォーマンスです」とよく言います。あとはショーを見せたほうが伝わりますね(笑) 手の角度、力の向きや加減で変わる複雑なものなので、百聞は一見に如かずです。

 

 

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——札幌を中心にパフォーマンスをする時雨さんですが、札幌のストリートならではの魅力はありますか?

 

時雨:道外でのパフォーマンス経験はあまり多くないですが、札幌は雑なパフォーマンスが出来ないですね。雑というか、少し口調を崩してお客さんを笑いながらいじったりするパフォーマンスが東京や関西ではウケるのに、札幌だと本気だと捉えられてしまうんです。

 

あと、ショーが始まるという告知のアナウンスだけではお客さんが集まりにくいですね。なのでノートークスタートというのをやっています。技をたくさんするというよりも、自分の雰囲気を動き方や顔つき・目つきで前面に出すという細かいことを毎回のショーで研究しながら空気感を作るようにしています。そのことに気が付いて出来るようになったのは最近ですね。

 

あと、「チカホ」があるのも札幌の魅力です。パフォーマンスを行うのによく使わせていただきますが、天気に左右されないし、人も通るし。良い所だと思います。

 

札幌はあまりパフォーマンス文化が浸透していないですが、逆にこれからストリート文化の土台を作ったり伝えたりすることが出来るということも魅力のひとつです。

 

 

——多くのパフォーマンスをしている時雨さんですが、パフォーマンスがないときなど普段はなにをしていますか?

 

時雨:今自分で出しているアパレルのデザインを考えたりします。

あとはもっぱらアニメとゲーム実況を見ていますね!!(笑)

 

 

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——では、スクランブルガレージへの思いを教えてください。

 

時雨:もともとは僕と龍さん(スクランブルガレージ代表 龍太郎)で、パフォーマンスができるカフェを作れたらいいねって話だったのですが難しくて、その話をほかの人たちに伝えて仲間が増え、話も膨らみ、今の形になりましたね。

 

札幌は各ジャンル分け隔てなく関わっているのが特徴的で、だからスクランブルガレージとして、練習場所が欲しいという思いの人たちが集まれたのかなと思います。せっかくこうして各ジャンルの人たちが集まれたから、パフォーマンスしつつ、練習しつつ、これからも関わりを持っていきたいですね。

 

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——最後に今後の目標や夢、理想像を教えてください。

 

時雨:なんだろうなぁ。(しばらく考え込む)

この先維持していきたいことは、ジャグリングを広めることももちろん、自分のパフォーマンスを見たことがジャグリングを始めるきっかけになれたらいいなと思います。本格的なジャグリングではなく、趣味や特技程度でもいいです。その人たちの目標みたいな存在でありたいです。

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MAXのフリースタイルバスケへの想い──スクランブルガレージ運営メンバーインタビュー企画

 

スクランブルガレージ運営メンバーの顔が見えるようにということで始まったインタビュー企画。

今回のメンバーはスクランブルガレージ運営では副代表、フリースタイルバスケットボーラーMAX

 

2016年ではbac to pec北海道大会優勝、KHOT World Freestyle Basketball Challenge 2016への招待選手参加など大きく躍進したMAXに現在の姿になるまでを尋ねてみた。

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───そもそもMAXはフリースタイルバスケットボール歴どれくらいになりますか?

 

M:今年で7年目になるから、ちょうど年数的には中堅の立ち位置です。

7年前の高2の冬に始めたんだけど、それまでが長かったんです(笑)

北海道ではフリースタイルバスケをやっているのが当時whiteaさんしかいなかったけれど、いつも行く体育館で練習しているのを見かけてとってもかっこいいと思ったんです。それから自分一人でフリースタイルバスケの真似事をwhiteaさんが練習する体育館でやり始めました。体育館にずっと通ってwhiteaさんさんは雨が降ると体育館で練習するって判明したくらいストーカーみたいにずっと見ていましたね(笑)向こうも自分のことを認識していたみたいだけどお互い人見知りでこの状態が1年くらい続いて(笑)

whiteaさんの弟子に声をかけてもらってからきちんとボールの回し方などを教えてもらいました。そこからが始まりです。

 

───きっかけだけでも面白いですね(笑)本格的に活動をしたのはどのタイミングですか?

M:本格的にというかフリースタイルバスケへの意識が変わったのは実はここ最近で、2年前の2015年です(笑)

始めてから3年くらいはストリートの遊び感覚で楽しんでいました。

それからレッスンやパフォーマンス出演、バトルに出ることも増えたけれどそれはそれで真剣に取り組んでいて。でも勝っても負けてもヘラヘラ笑っていたんです。

2015年の8月に1DCというwhiteaさん主催のフリースタイルバスケバトルイベントに向けての練習で、whiteaさんに「ここで真剣にやって優勝しないと終わりだぞ」と言われたんです。「え?俺、終わるの?」って思ってしまって、二ヶ月少しだったけれど、今までにないくらい真剣に猛烈に練習して。でも結果は準優勝。最後にアパッチに負けました。その時に初めて悔しくて泣きました。普段映画とかでも泣かないんですけど。本当に真剣に取り組んでいたから心の底から悔しくて。そして単純に「もっと上手くなりたい」と思って練習やバトルに取り組むようになりましたね。現に周りからも「上手くなった」と言われるし、正直自分でも急に上手くなったと思います。意識も姿勢もあの時を境に変わりましたね!

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───意識の変化がスキルの上達に繋がっていくというのは、相当真剣でないと成しえないですね。その中でも苦労エピソードはありますか?

 

M:沖縄で一ヶ月フリースタイルバスケだけで生活した時ですね!大学卒業する年の1月に行ってきたんです。ちょうど周りは進路が決まっているタイミングで、自分は就職しないと決めていたんですがこれからどうしようと悩んでいて。

一ヶ月雪がない沖縄でフリースタイルだけで生活できたらこの先もフリースタイルで生活できるって考えて、あえて手持ちのお金も少なめで飛びました。

ストリートパフォーマンスや、沖縄の観光協会に電話で売り込んで、お祭りに出演させていただいたりしました。それでも出演料はもらってないので全て投げ銭のみで生活しました。もちろんお腹すいた日もありましたよ(笑)でも様々な人との出会いもあって仲良くなった人もいました。

それで生きつなげることができたので、フリースタイルバスケでこのまま行こうと決めて今に至るので、自分の中では大きい出来事です。

 

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───ストリートパフォーマーの普段の姿が一般からすれば見えにくいので、普段何をしているか聞いてみたいです!

 

M:実はフリースタイルバスケが趣味で、それしかやらないので、自分は極端な方だと思います。他のボーラーは海外ドラマとか、ゲームとかしてるし。フリースタイルバスケをやらないときは寝てます(笑)仲間からは「狸小路の主」と呼ばれてるくらい一番通っていつも練習しています。

 

 

───フリースタイルバスケがどのようなものかの紹介と、魅力を語ってください!

 

M:フリースタイルバスケは、バスケットボールを使って音楽に合わせて、ダンスのように自分を表現するという競技です。言葉で表すとこれに尽きるので、実際に見てもらわないと伝わりにくいです。

動きを0から自分で考えて生み出していくのが難しい所ですね。ダンスを見たり、格闘ゲームの動きをモチーフにしている人とかいて、いろんな所からインスピレーションがわいて作っていますね。

魅力は0から作る分、本当に自由なんですよね。ボールを使ってなんでもできるし、遊べるし。正直、好きに理由がないので表現しづらいです。(笑)

 

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───狸小路の主とも呼ばれるMAXにとって札幌のストリートの魅力は何ですか?

 

M:本州の方では競技人口が多いからか、同じ場所でも競技別に練習しているんです。つまりは繋がっていないんですよね。全く別の競技という感じです。札幌はフリースタイルからジャグリングまでいろんなジャンルがいるので、ジャンルを超えて一緒に練習しています。お互いのジャンルの大会も見に行ったりします。仲もいいけれど、それだけではなくお互いに刺激を受けて成長に繋がっていると思います。ジャグリングにフリースタイルの動きを取り入れてる人とかは自分たちと一緒に練習して生まれた技だと思うし、他のジャンルを見て逆に自分の競技の勉強になります。逆に札幌のストリートの様子が本州からびっくりされる光景だと思います(笑)

 

 

───ではスクランブルガレージに対する思い入れをお願いします。

 

M:練習や活動の拠点が欲しいねというところから少ない人数で始まって、同じ思いがあって興味がある人が集まってきて今の状態になりますね。メンバーそれぞれがスクランブルガレージに求めるものは違いますが、自分は練習場所のみならずエンターテインメントの場にしたいと思っています。いつでもストリートのジャンルを超えて楽しいものがそこにあるという空間・拠点を作りたいです。本州でもレッスンがメインですが、ジャンルを超えた拠点が増えてきているので、札幌でも実現したいです。

 

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───MAXの今後の目標や理想像を教えてください!

 

M: あの人なんか魅力あるよねって思われるような人になっていきたいです。

フリースタイルバスケを通じて、普段できないような経験をたくさん積んで、その人の人間性がオーラみたいな感じに滲み出るようなイメージです!

そして自分は今フリースタイルバスケの講師もしています。技術の上達はもちろんなのですが、レッスンを通じてその人それぞれの魅力も引き出せるように努力していければと思います!

 

フリースタイルバスケをした事によって「明るくなった」「自信がついた」「積極的になった」なんでも良いです。何か自分の中でプラスの変化が起こるような事をレッスン生達に残せればと思ってます。

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【スクランブルスクール@夏休み】【お手玉 ジャグラー・コーヘイ】

昨年秋に開催した「スクランブルスクール」の夏休み版で、子供たちの自由研究向けにストリートを体感する「授業」を開催。

 

お手玉編の講師はジャグラー・コーヘイ。道内で様々な出演歴を持ち、スクランブルガレージ以外にもジャグリングの指導歴を持つパフォーマーである。

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ジャグラー・コーヘイは「ジャグリングのイントロダクション」からワークショップをスタートした。

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 「皆さんはジャグリングと聞いて何を思い浮かべますか?」と参加者に問いかけるコーヘイ。「投げる」「回す」「パフォーマンス」など続々とイメージを表す単語を上げていくのを、コーヘイは紙に書き出していった。

一通り書き終えたところで、コーヘイはジャグラーの性質について解説した。

所説様々あるが、ジャグリングをアートとスポーツの二つの要素に大別した。

どちらかに振り切る人もいるし、二つの要素をバランスよく取り入れる人もいる。

競技スポーツのように、技術力向上のためにひたすら練習をする。コーヘイはまさにこのタイプである。ジャグリングを以てして「アート」を表現する人は、ジャグリングを用いた表現を、人にどう見せたら伝わるかといったジャグリングを探す。

ジャグリングはとにかく練習量がすべてであるが、その練習を、獲得するスキルをどういった方向に持っていきたいかで練習スタイルが変わってくるとコーヘイは補足し、どんなジャグラーになりたいかイメージしてみてくださいと一つ目の座学を締めくくった。

 

 

「では基礎練習をしましょう」と実学に移った。

まずはボール一個からスタート。

ボールジャグリングの基本技「カスケード」の投げ方をレクチャー。左右交互にトスし、キャッチする。まずはその感覚に慣れるために一個を右から左へ、左から右へと交互に、正確にトスする練習を始めた。

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ポイントは

①放物線を描くように投げる

②手首のスナップではなく肘から先をしっかり下げ、腕を動かして投げる

③キャッチではなく、きちんと「投げる」ことを意識する

と伝えた。 このポイントを意識すると正しいカスケードの軌道で投げやすくなる。

参加者から「ジャグラーは投げる時にいつもどこを見ているんですか?」という質問が上がった。ジャグラーはパフォーマンス中よく上方を見ているが、実際はどこを見ているのか。「放物線の頂点あたりです」とコーヘイは答える。

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放物線の頂点を見ればどこに落ちるかわかるから、ボールが落ちてくるところに手を出すだけでいいのだと解説を添えた。

ジャグラー・コーヘイは「ジャグリングは基本的には理論的に構築されているんです」と魅力を語った。

 

基礎を理解したところで少しステージを上げて、背中や足の下からボールを通す技に挑戦し、二個投げの練習を行った。二個投げは先ほどのポイントに加えて交互にタイミングを合わせて投げるのが重要になる。どちらかが早まるとリズムが崩れてボールを落としてしまうのだ。

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これまでの投げ方を基本にし、いよいよ3個を投げ始める。三個目を投げるタイミングをつかむのが最初は難しいところである。二個目を投げた後、三つ目を投げようにもなかなか意図したようには投げられない。この3個目を投げることができれば(もちろんキャッチも成功すれば)3ボールカスケードの完成はぐっと近づく。

3個目を投げてキャッチする。これをクリアすれば地道に一個ずつキャッチする回数を増やしていく練習段階に入る。

練習しながらコーヘイは「今回のWSで技を完璧に習得することはできません。それは当たり前です。今回のWSでは基礎の練習方法を教えています。それを持ち帰ってもらい、各自練習することが上達への道です。」と参加者に今回の意図を伝えた。

 

参加者が複数個投げるのに苦戦している様子を見て、コーヘイは各参加者の投げられない原因を解説していた。例えば、どちらか一方のボールが高すぎたり低すぎたりする場合、投げ上げる高さを合わせるとうまくいくというアドバイスをした。

さらに練習している間にコーヘイは「上達する練習方法は上手くなった人の経験を聞くのが一番いいです。上手い人がいたら、その人にたくさん聞くのが一番いいです。どういった練習をしたらその技ができるようになったのか、とか。」とコーヘイの持論を展開した。

 

そしてまた座学に戻り、「サイトスワップ」についての解説を始めた。 

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サイトスワップsiteswap)とは、ボールやクラブなどのトスジャグリングにおいて投げ上げる物体の高さを数列で表現したものです。

日本ジャグリング協会オフィシャルサイトから引用

サイトスワップの詳細は日本ジャグリング協会オフィシャルサイトの参照。

最後は参加者持参の小道具でジャグリングができるかという挑戦をしたり、参加者が各々練習を重ねた。

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まとめ

 

今回は参加者が全員ジャグリング初心者で、基礎部分を丁寧に解説した。ジャグリングはどうやってボールを次々と投げているのかを一つずつ分かりやすくポイントを伝えることで、参加者が各自で練習するときに困らず意識できるような道筋を提供したワークショップになった。ジャグラー・コーヘイの経験から生まれた練習方法・持論をたっぷりと聞けて参加者にとっては貴重で贅沢な時間であった。

参加者はコーヘイの動作をよく見て、「もう一度ゆっくりお願いします!」と熱意あるリクエストをしていたのが印象的であった。そしてとても楽しそうにボールを投げる難しさと格闘していた。

今回の参加者がジャグリングの今までのイメージと違う新たな魅力を理解し、楽しく感じてもらえたことは間違いない。理論的で組み立てる楽しさが今回説明されたジャグリングの新たな魅力である。私もそこで初めてその一面を知った。

ひたすら練習してスキルを磨くイメージから、技を作る楽しさへとステージが上がれば楽しみ方も変わってくることを伝えた。

参加者が「難しい〜!すごいな〜!!」と何度も話していたことから、パフォーマーが普段顔色一つ変えずやってのける技の難しさを体感できたのではないだろうか。

ジャグリングの楽しさと難しさを体感し、講師の実力を間近に見れる充実したワークショップであった。

 

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【スクランブルスクール@夏休み】【ダブルダッチ 龍太郎】

昨年秋に開催した「スクランブルスクール」の夏休み版で、子供たちの自由研究向けにストリートを体感する「授業」を開催。

 

前回の時雨のワークショップに続き、龍太郎も自分自身の自己紹介から授業を始めた。

ダブルダッチインストラクターとして国内外で指導歴を持ち、市内でも教室などで指導している。

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今回の受講者は8名が参加!小学生の親子や、小学校の先生が参加して全体的にワイワイとした雰囲気。

座学中の龍太郎からの問いかけにも元気に答えていた。

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ダブルダッチが二本の大縄を使うスポーツという基本的なことから、ダブルダッチが持つ要素として競技、パフォーマンス、遊び、運動が挙げられ、動画を見せてどんなダブルダッチがあるかを解説した。

また縄の材質や、ダブルダッチの歴史を解説。本格的に競技として生まれたのはアメリカで、ストリートでもできて若者の非行防止になるスポーツが広められたという。複数人いることで成立するスポーツだからこそ、非行防止になるし若者のパワーを生かせてここまで広まったのだろうと個人的に感じた。

座学は龍太郎が考えるダブルダッチの良さとして“1人では出来ない”という言葉で締めくくられた。

 

そして待望の実学の時間。

はやる気持ちを抑えてまずは入念にストレッチ。ダブルダッチで使われる足首など怪我の可能性について触れながらストレッチを進めた。

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そして縄の回しから練習をスタート。単純に回すように見えて、一定の高さ・リズムを保ちながら人を跳ばせることが難しい。慣れている子供たちはあっという間に安定的に跳ぶが、大人が大苦戦した。コツをつかむまでが大変なようだ。

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回しが安定してくると今度は交代しながら跳びの練習。

見本を見せる時に跳び手を募集すると子供たちの手が矢継ぎ早に上がる。

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初めて跳ぶ不安を解消するために、ド素人代表としてスクランブルガレージ運営のなべが回る縄の中に入って跳んだ。

練習中に参加者のお母さんが飛べた時には歓声が上がった。

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縄からの抜け方についてもレクチャー。連続で跳び手が入って抜ける一抜けや、縄を横にずらして回す「スライド」という抜け技を紹介した。

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最後に全員が今回学んだ技を使ってプチパフォーマンス。跳びながら足を開いて閉じる基本的なステップや、難易度が高い細かくリズミカルに跳ぶ16ビートステップに挑戦する参加者もいた。

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まとめ

 

今回の参加者が小学校の先生と親子だったので、先生には指導者向けにダブルダッチ初心者をサポートできるような内容を、親子には失敗しても協力を行えるような内容を織り交ぜていた。指導者向けであれば、例えば「跳び手を抜けさせるスライドは小さい子供を跳ばせる時に回し手が引っかからずに抜けさせることができて、成功体験を作ることができる」ということを参加者に伝えた。親子には保護者の初心者が多く、お互いを見ながら失敗したところを教えあったり、声をかけあうことで協力する機会が多かった。

さらに子供の自由研究のテーマにも設定できるように、ダブルダッチが誕生した経緯や効果、技の種類などをコンパクトにまとめていた。今回のワークショップできちんと自由研究が完成できるようになっているところが良かった。

全く練習をしていない私が龍太郎の指導で一回で回っている縄に入って跳ぶことができたことはとても心に残っている。誰もが跳べることを実感したし、何よりも一瞬で楽しくなった。

ダブルダッチの魅力をわかりやすく発信し、二人以上で行うことで交流が必然と生まれたことが、スクランブルガレージの目的の「文化(ジャンル)の発信・交流」に重なった。より多くの様々な場所で縄が回ることをイメージさせる充実した授業になった。

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